ビザ・入国
北京トランジット完全ガイド(2026年版)
「144時間」はもう古い——今は最大240時間(10日)のビザなしトランジット。ただ日本国籍は30日ビザなしで入れるので、多くの場合そもそも不要です。条件、北京の対象空港、乗り継ぎ時間別にできること、空港⇄市内アクセスまで。
「北京 トランジット ビザ 144時間」で検索してこのページに来た方へ。まず安心してください——日本国籍の旅行者の多くは、そもそもトランジットビザの仕組みを覚える必要がありません。 2024年末に2つの制度が変わったからです。このページは、その新しい前提を踏まえて「自分の場合は何が必要か」「乗り継ぎ時間で北京の何ができるか」を整理します。上海で乗り継ぐ場合は上海トランジットガイドへ。
まず結論:日本人の多くは「トランジットビザ」自体いらない
2024年11月30日から、日本国籍の普通旅券保持者は30日間のビザなし入国が認められています。[China Briefing] つまり、北京で乗り継ぐついでに数日観光する程度なら、面倒な「第三国行きチケット」などの条件を満たす必要はなく、普通に入国して30日まで滞在できます。
トランジット(通過)ビザなし制度が本当に役立つのは、次のような人です。
- 日本以外の、30日ビザなしの対象でない国籍のパスポートで来る同行者がいる。
- 制度を厳密に使いたい、または将来ルールが変わったときの予備知識として知っておきたい。
それ以外の日本人旅行者は、この先の「条件」の節は読み飛ばして、乗り継ぎ時間別の過ごし方(後半)に進んでOKです。詳しい免税入国の条件はビザなし入国ガイドも参照してください。
「144時間」はもう古い:今は240時間(10日)
ネット上の古い情報では「72時間/144時間トランジットビザ」と書かれていますが、2024年12月17日から240時間(10日間)に拡大されました。[China Briefing] 主な変更点は次の3つです。
- 滞在可能時間:72/144時間 → 最大240時間(10日)。
- 対象の出入国港:39 → 約60か所に増加。
- 移動できる範囲:19省 → 24省・地域に拡大。
対象国籍は54か国(日本を含む)。北京(北京市・天津市・河北省のエリア)はこの240時間制度の対象に含まれています。検索では今も「144時間」が多いですが、実際に適用されるのは240時間ルールだと覚えておけば十分です。
240時間ビザなしトランジットの条件(ここを外すと使えない)
使うなら、次の条件をすべて満たす必要があります。
- 第三国・地域行きの確定チケットを持っていること。240時間以内に出発する、座席が確定した航空券などが必要です。
- 出発地と次の目的地が別の国・地域であること。東京→北京→東京のような往復は対象外で、東京→北京→ソウルのように「通過」になっていることが条件です(香港・マカオ・台湾は本土から見て第三地域として扱われます)。
- パスポートの残存有効期間が3か月以上あること。
- 240時間のカウントは、入国日の翌日0:00(中国時間)から始まります。たとえば4月20日13:00着なら、起算は4月21日0:00からです。
「滞在期間は従来の72/144時間から240時間(10日間)へ延長され、対象の出入国港は39から増加、滞在できる地域は19省から24省へ拡大した。」 — China Briefing(中国の240時間ビザなしトランジット解説)
24時間トランジットとの違い:どちらを選ぶ?
短い乗り継ぎなら、もっと条件のゆるい24時間トランジットもあります。両者の違いはこうです。
| 24時間トランジット | 240時間(10日)ビザなしトランジット | |
|---|---|---|
| 対象国籍 | ほぼ全ての国籍 | 54か国(日本を含む) |
| 滞在できる時間 | 24時間まで | 最大240時間(10日) |
| 第三国行きチケット | 必要 | 必要(出発国と別の国・地域へ) |
| 移動できる範囲 | 到着空港のある都市周辺 | 対象24省を移動可 |
| 北京の対象空港 | 首都(PEK)・大興(PKX) | 首都(PEK)・大興(PKX) |
ざっくり言えば、乗り継ぎが24時間以内で空港〜市内程度なら24時間ルール、1〜10日しっかり滞在するなら240時間ルール。ただし前述のとおり、日本人なら30日ビザなしを使うのが一番シンプルです。
北京の対象空港:首都(PEK)と大興(PKX)
北京でトランジットの入国手続きができる主な空港は2つです。
- 北京首都国際空港(PEK)——市内(東直門)まで近く、伝統的なメインハブ。
- 北京大興国際空港(PKX)——市内の南側。新しく、鉄道アクセスが速い。
到着時は、通常の入国審査とは別の「临时入境(一時入国)」カウンターに並びます。チケット(第三国行き)とパスポートを提示して手続きします。
乗り継ぎ時間別・北京でできること早見表
「乗り継ぎ◯時間で市内に出られる?」の現実的な目安です。入国審査と空港〜市内の往復だけで最低2〜3時間は消える前提で見てください。
| 乗り継ぎ時間 | 市内に出る? | 現実的にできること |
|---|---|---|
| 〜6時間 | ✗(空港内推奨) | 入国+移動で時間切れ。空港で休む・食べる |
| 6〜8時間 | △(ギリギリ) | 空港エクスプレスで1エリアだけ(例:天安門周辺をさっと) |
| 8〜12時間 | ○ | 故宮、または胡同+市内1エリアをゆっくり |
| 12〜24時間 | ◎ | 市内を1日。仮眠にホテルを取るのもあり |
| 万里の長城まで | 12時間以上必須 | 往復+観光で6〜8時間。乗り継ぎでは要注意(後述) |
なお「北京 トランジット 無料ツアー」を探す人も多いですが、北京の無料トランジットツアーは時期により有無が変わります。自力で市内に出る前提で計画するのが安全です。
8時間乗り継ぎモデルコース(市内に出る場合)
8時間あれば、欲張らず1エリアに絞れば市内観光は可能です。
- 着陸・入国審査(一時入国カウンター):約60〜90分を見込む。
- 空港エクスプレスで市内へ:PEKなら約30分(後述)。
- 中心部で2〜3時間:天安門広場〜故宮の外観、または王府井で食事、のどちらか一方に絞る。
- 余裕をもって空港へ戻る(国際線は出発の3時間前にはチェックインしたい)。
故宮の中までしっかり見るなら、入場予約(公式サイトで事前枠の確保)と移動で半日は必要です。乗り継ぎなら**「中まで入らず外観と周辺」**にとどめるのが現実的。市内での過ごし方は北京旅行ガイドに詳しくまとめています。
万里の長城は乗り継ぎで行ける?正直な答え
結論:乗り継ぎ12時間以上+入国がスムーズに進む前提なら、ぎりぎり可能。でも基本はおすすめしません。
- 市内中心部から慕田峪(八達嶺より人が少なくおすすめ)まで車で片道1.5〜2時間。
- 往復の移動だけで3〜4時間、観光に2〜3時間で、最低6〜8時間かかります。
- 渋滞・入国審査の遅れ・帰りの空港混雑を考えると、乗り継ぎで長城まで行くのはフライトを逃すリスクが高い。
どうしても、というなら12時間以上の乗り継ぎで、帰りのバッファを2時間以上取ること。長城の選び方は北京ガイドを参照。
空港⇄市内アクセス(所要時間・料金)
トランジットの計画は、ここの正確さで成否が決まります。
- 首都空港(PEK)→ 東直門:空港エクスプレス(首都机场线)で約30分・¥25、6:35〜23:00、8〜10分間隔。[China Discovery] 地下鉄15号線は¥7〜10と安いですが乗り換えが多く70〜90分かかります。
- 大興空港(PKX)→ 草橋:大興机场线で約19〜22分・¥25。最高160km/hと中国最速級で、市内から遠い割に到着は速いのが特徴です。[China Discovery]
タクシーは渋滞しだいで読みにくいので、乗り継ぎでは時間の読める鉄道が安全。地下鉄・エクスプレスの切符は現金不可の券売機もあるため、ここでもAlipay/WeChat Payの準備が効いてきます。
乗り継ぎでも必須:ネット(eSIM)と支払い
短時間でも、北京で動くなら次の2つは欠かせません。
- eSIM(ネット):地図・配車・翻訳・支払いアプリ、すべてデータが必要です。中国ではLINEやGoogleがそのまま使えないため、海外ルーティング型のeSIMを出発前に入れておきます(→ 中国eSIMガイド)。空港に着いてからでは設定できないことがあるので注意。
- 支払い(Alipay/WeChat Pay):現金だけだと地下鉄券売機や売店で詰まります。外国発行カードを紐づける手順はAlipayガイドへ。
トランジットでやりがちな失敗
- 往復チケットで来てしまう:240時間トランジットは「第三国行き」が条件。同じ国に戻る往復は対象外です(日本人なら30日ビザなしを使えば問題なし)。
- 乗り継ぎ時間を空港〜市内の往復だけで使い切る:入国審査と移動で2〜3時間は飛びます。早見表を基準に。
- eSIMを現地で入れようとする:入国後は海外eSIMをインストールできないことがあります。必ず出発前に。
- 長城に欲張る:フライトを逃す典型パターン。12時間未満の乗り継ぎでは市内に絞る。
- 最新ルールを確認しない:ビザ・トランジット制度は変わります。出発前に駐日中国大使館・国家移民管理局の公式情報で必ず最終確認を。